泌尿器科

UROLOGY

前立腺肥大症

前立腺は膀胱の下方に位置し、尿道が中央を通っています。
もともとクルミ程の大きさですが、肥大して尿道を狭窄させると、排尿障害をきたし前立腺肥大症となります。
症状には排尿困難・頻尿・残尿感・夜間頻尿・尿意切迫感などがあります。
50歳代~60歳代で患者数が増加し、加齢現象の一つであるともいえます。
当院では、国際前立腺症状スコア(IPSS)・エコーで評価した後、薬物を中心に治療を行います。
治療薬としてα1ブロッカー・5α還元酵素阻害薬・ホスホジエステラーゼ5阻害薬・生薬・漢方薬・植物製剤・抗アンドロゲン薬等を使用します。

過活動膀胱

膀胱は腎臓で作られた尿を一時的に溜めておく臓器です。
膀胱の周囲には排尿筋と呼ばれる筋肉があり、普段は尿を溜めやすくするため弛緩しています。また、尿道周囲にには尿道括約筋という筋肉があり、普段は尿道を締め付け蓄尿に寄与しています。膀胱が緊満すると尿道括約筋が弛緩して排尿が起こります。
過活動膀胱ではこれらの神経連動性が乱れ、膀胱がOVER ACTIVEな状態となり、尿意を催し、頻尿や尿漏れにつながる疾患です。
当院では、過活動膀胱の治療は骨盤底筋訓練・膀胱訓練の指導と共に、β3アドレナリン受容体作動薬・抗コリン薬・漢方薬等を用いて行います。

急性単純性膀胱炎

原因となる疾患は特にありませんが、大腸菌などの平易な細菌が尿道を逆行性に侵入することにより感染し、発症します。
女性に多く、頻尿・排尿終了時痛・残尿感・血尿などを伴います。
尿沈査・尿テストペーパーによる検査後、抗生物質・抗菌薬・止血剤・漢方薬を個々の状況に合わせて使用します。

前立腺炎

急性細菌性前立腺炎は外尿道口から原因菌が侵入し、前立腺に至ったものです。
抗生物質・抗菌薬による治療で軽快を得ます。
慢性前立腺炎では発熱などの急性炎症反応はみられず、何となく気持ちが悪い・そわそわする・足の付けねや会陰に痛みを感じる、などの不定愁訴が中心となります。
抗生物質・抗菌薬の効果が得られず、治療に数か月の期間を要すことがあります。

前立腺がん

男性の前立腺と呼ばれる小さな臓器で発生するがんの一種です。
前立腺がんは、早期段階では症状がほとんど現れないことが多く、進行すると尿の勢いが弱まり、排尿困難、血尿、腰痛などの症状が現れることがあります。
発見が早期であれば治療が可能ながら、進行すると他の組織や骨に広がり、深刻な状態になることがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。